文法とか、英語学を極めたいとは思わなかったが(英語学は進んで行くと、数学っぽいとこがある、言語学なんかモロ理系と思う)、文法書が大好きで、おそらく世界遺産級なものは手に入れてきたと思う。
歴史に残る名著でも平気で絶版になってる世界だから、ほしいけど何万もして買えない、細細と、授業で先生から貰うコピーを真っ黒になるまでありがたく使う…というのはよくあることである。
イェスペルセンの"文法の原理"もたしかそんな感じで手に入らなかった(検索で引っかって間違えて来ちゃった方はわたしの言うこと間に受けないでくださいね、ほんと、テキトーなことばっかり言うから…。売ってたけどわたしには高かっただけかもしれない。)のが、数年前に、なんの前触れもなく、突然岩波文庫で出て、岩波文庫だから高いといっても、たとえ上中下巻でも、たかがしれている。それで、もともと大好きな出版社だったけどさらに痺れた。
その、愛する文法書のうち、一番使うのが、やはり日本人の書いた、タイトルの本である。
これは、のってないことがない(文法事項では。さすがに、コロケーション的なものとかは載ってないけど。文法書だから)。わからないことがあると、江川先生にきいて見よ♥ といつもページを開く。
この、わたしの親友の江川本で、ほんと、すごいなぁとおもうのは、何年使ってても、発見があること。
まあ、単にわたしのあたまが悪いから、書いてあることすぐ忘れちゃうからだけど…。昔、これを写経しようとしたこともあったが、あっという間に挫折した。若くてヒマを持て余している人にはおすすめしたい。
きのう、単数形と複数形のところを読んでたら、欄外の小話みたいなコーナーに
広島カープは、発足したときは"広島カープス"という球団名だったが、すんでのところで有識者が、"CARP(鯉)は不可算名詞だからSがつかない"と教えてくれて、今に至る
みたいなことが書いてあった。
Carpも、sheepやdeerみたいにSつかないんですね。
フィッシュマンズも発足するまえにわたしに相談してくれたら、マンの複数形はメンだからSつかないッスよって言えたのに…いや、わたしはおそらく当時小学生で英語習う前か。
わたし、完全に英語に心を持っていかれたのは、まさにこの、可算不可算名詞のところだったと思う。石鹸は、ワインは、パンは、数えられないってところ。義務教育でみんなやってるはずだ。なぜかあれが、新世界に足を踏み入れたみたいな感覚で、よかったんだよなぁ~。石鹸が数えられないって、なんで?と、ものの捉え方が文化によって違うこと、言語を通して異文化に接触をもったきっかけがあのときだったんだろう。
いまの子は、小さな頃から周りに外国人や外国につながるこどもが当たり前にいる環境だから、もっと早くにもっとリアルにそれを感じるチャンスはあるだろうな。
(まえに、そういうことアンケートとってみたら、たくさんでてきて面白かった。)
要望があれば、特別課題だしたり、補習したりするのはやぶさかではないが、むこうからこない限りやらないスタンスでいる。(でも折にふれ、いつでも遠慮なくおいでと言ってはいる)
最近、たまーに課題欲しいといってきてた子が、とうとうわたしの課題専用にするつもりと思われる分厚いノートを作って持っていた。で、交換日記みたいにはじめた。これは、わたしのいまいる環境においてはほぼ起こり得ないレベルの珍しいことで、一日引きずるくらい嬉しかった。
その子にも、わたしの石鹸とワインみたいなスイッチがきっとあるはずだから、そこが早く見つかるといいなぁ。
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